ドリル帝国ブログ

ボドゲと映画とときどき旅行

この世界の片隅に

ずっと見たかったんだけど、近所でやってるのは土日席が取れなくて、仕事帰りもギリギリ間に合わない時間からの上映でも少し見られるまでに時間がかかるかと思っていたら、ちょうど講習会があって早く直帰できるのでその日の予約ができるようになったら即予約して火曜日に無事見てきた。
テアトル新宿はまぁ狭い劇場なんだけど盛況で、このときはTV局も入っていた。またNEXTが発動しておる。席はまぁ選り取りみどりだったんでいい席予約しておいたから作品に集中できた。立ち見もいたけど、本編126分だから大変そうだったけど。
さてネタバレ無しの感想をば。ひじょうに感情を揺さぶられるいい作品でした。喜怒哀楽も恐れや葛藤もにじみ出て伝わってくる。主人公のすずさんに感情移入してるのかなぁ?なんかその姿をこうやって見て追っているだけなのかなぁと言う感覚で、他の登場人物や物語中の動静とかほんとにじんわりにじみ出て伝わってくるなぁってのが見心地良かった。
物語はわりと原作に忠実だけど、アニメ映画になったこととのんという役者の声があたったことでうまい具合に変質していてこれもちゃんとすずさんだなぁと思ったりした。
背景描写はリアルで、徐々に戦争(おもに空襲)が激しくなってきたりするとその描写も胸に来る怖さみたいなのがあって、実際に空襲を体験したことはないけど怖かった。その中でも描かれる日常は戦争と切り離されているというか、ずっと過敏だと壊れちゃうから普通の日常をおくっているのかなぁとか、自分も緊張の中で余計なことを考えていることがあるなぁとかそういうリアリティレベルがちゃんと感情を揺さぶる波長になっているのかなぁと。
絵的な描写は写実的というよりは絵的な描画的なリアルさに落とし込まれてて、絵を描くのが好きなすずの描く(思い描く)絵と実際の風景とが時々フィクション的に混ざったりするのが良かった。それも感情を揺さぶってくるファクターの一つだったし。
今年は思いがけずに良作邦画に恵まれた年だったなぁと。仮面ライダー映画が年内に見られるか微妙なので今年最後の映画がこれになるのならそれでもいいなぁと思うくらいにはいい映画でしたわ。