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東京都青少年健全育成条例改正案

さて、表題のことについて書こうと思うんだけど、只今絶賛風邪っぴきで誤字脱字、変な文章等には目をつぶっていただいて、自分で気づくかツッコミ入ったらちゃんと意図が通じるように後で訂正しますです。
この論を書くにあたって、まず最初に色々説明を書きます。で、その説明に書かれた範囲で話しをなるべく抑えます。つまり、遠大な議論をぶち上げる気は全くありません。できるだけ主語も「私は」「この部分は」で抑えたいところ。


まず、東京都青少年健全育成条例改正案を「バカ条例」と略します。元が長いからであって他に他意はありません(棒。条例となってますけど、元々の条例については全部には賛成、賛同できる内容ではないけどもある程度尊重して、今回の改正案のことを「バカ条例」と呼んでいると思ってください。


次に、このバカ条例について概ね反対です。どの部分に反対かは後述の論の中で。で、反対な理由の一番大きなものは、すでにある条例はある程度尊重できるけど、バカ条例については必要ない、もしくは元の条例の尊重できない部分の改正案じゃなく、尊重できてた部分の改正案であることです。


すでに本題に非常に絡んでいるところですが、立ち位置を明確にするためにここに書きますが、創作物(マンガやアニメなどの概ねフィクション)と児童ポルノ(写真やビデオなど概ね作品はフィクションだろうが実際の児童などが絡んでいる物)の後者の方は規制されてしかるべき、行政が条例などで踏み込んでもいいのではないかというスタンスです。なぜならそこには実体があるからです。


結論として、バカ条例に反対です。もう少し理想的な改正案になれば賛成することもあるかもしれませんが、現行の条例のままのほうがましなので反対します。


さて本題の論ですが、なぜバカ条例がだめなのか私なりの解釈や疑問をつらつらと書いていきます。意見だったり疑問だったりが入り乱れるので、全部ひっくるめて上の結論に今はたどり着いています。

  • 青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

健全な判断能力って一体なんだろうか?健全な成長ってなんだろうか?ここで規制されようとしている物を手にしたことで妨げられたり、阻害されたりするのだろうか?その判断はどこがどうもって下すのだろうか?基準は?統計は?経過は?まともに議論された形跡が見えない。逆に、このバカ条例による施行で「青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれ」は無いのだろうか?
よく話にだけは出てくる「こんなモノを子どもが手にとったら問題あがある」の問題ってなんだ?「青少年の〜妨げ〜妨害するおそれ」(面倒なので以降「悪影響」)のことを言っているのか?
まず、手に取ることはできる。それが子どもに悪影響を与えるかどうかは別にして。具体的に言えばチャンピオンREDいちごとか。あれはなかなかエロイ。バカ条例の施行で流通しなくなるだろう筆頭だな。でも、悪影響与えるんだろうか?とりあげるか隠すかすることで何かしらの有用な効果があるのだろうか?もしくは有害な効果が取り除かれるのだろうか?このへんに甚だ疑問を感じる。

  • バカ条例が銃刀法足りえるのか

つまり、銃刀法のようにだいぶきちんとして施行できるのか?銃刀法レベルのきちんとした規定のある法でさえ、施行する側が間違えを起こし不当な執行を受ける場合があるのに、バカ条例のような一見して穴だらけできちんとしていない条例を施行してきちんと執行できるのだろうか?もちろん前提として執行する必要性を行政に任せていいのかというのもあるけど、バカ条例の条文のきっちりしてなさはダメなんじゃないのか?執行する側にとっても、執行される側にも曖昧すぎるのではないか。そして、こと表現の自由に関わるところにこういった行政の手を入れるべきではないのではないだろうか?

  • メリットとデメリット

青少年健全育成条例であるから、本来は何をもって健全な育成なのかが明確でなければならないと思う。犯罪を犯さない、自殺しない(自殺も自己殺人だと思えば犯罪だけど)くらいなのかなと思うんだけど、性的なものに全く触れさせない、学校の保健体育で教える程度のところまでを健全な育成だと思ってるんだろうか?
人間誰しも成長する。肉体的にも精神的にも。その中で、第二次性徴をむかえたりすると本能として性的欲求が必ず出てくる。その時に性から遠ざけちゃうのはどうなの?もちろんそこで性に触れるのがレイプだとかSMだとかのマンガやアニメである必要はないけど、それらが無いことにしてしまうはおかしいのじゃないの?事実あるわけだし。そして、選択する自由を奪うのもどうなの?明確に悪い方向に行く、悪影響しか無いものは選択肢にないほうがいいと思うけど、それってアニメやマンガの中の性犯罪やアブノーマルな性行為の中にはないんじゃないの?それでもって発散、消化できる場合もあるだろうし、実際におこってない、フィクションでもあるし。
こんな感じでフワフワしたことしか言えないようなことなのだと思う。それを規制しようとしている。デメリットのほうが確実に大きいと思う。

  • 守るべきもの

大前提である守るべきものって青少年で、その中でも健全に育成、成長する権利が侵害されない事なのだけど、まず巷に溢れているマンガやアニメがそれを侵害しているのだろうか?そして、条文にあるような性行為の描写がそれを侵害しているのだろうか?誰にも答えられないと思う。そしてかたくなに侵害されているんだと思う人とそうではないと思う人とがいる。同じようにプラスに作用している人もマイナスに作用している人もいるだろう。やはり明確じゃない。あの条文のまま執行すると、マイナスに感じる人とプラスに感じる人とでは執行の度合いが変わってしまう。同じ本を見て、違う判断をくだすだろう。それじゃぁ行政が介入する要件としてダメだ。だって、もうすでに青少年が守られるべき存在としてないがしろにされているもの。青少年個々がそれをプラスにするのかマイナスにするのか違うんだから、規制することでもしかしたら1人の、1つの性犯罪を防げたかもしれないけど、手にすることが出来なかったことで性犯罪を犯してしまうこともあるわけだ。健全な育成にはエロマンガが必要だったかもしれないのに欠いてしまった結果だ。

  • 事実

私はもう大人だし、最低限のモラルをもって日々生活している。青少年の頃からマンガやアニメを見て育ったが、親にはアニメを規制されて育ったので、抜けていて悔しい思いをすることがある。マンガは自分の小遣いの範囲で買っていたから規制されなかったし、青少年の頃からいわゆるエロマンガ、エロ描写のある青年マンガも数多く読んだが、悪影響とされている事柄に思い当たるフシはない。そう、私は読んで育ってきて体現しているのだ。このバカ条例に賛成している人たちってどれくらいが読んで育ってるのだろうか。たぶんその中に犯罪者はいないだろうから、読んで育っても大丈夫だったことを体現しているはずだ。
そう、悪影響だった人を私は知らない。バカ条例賛成派の人も多くは「自分は大丈夫だが青少年は・・・」というこれまた守るべき実在の青少年ではなく、自分の頭の中にある非実在脳内性犯罪者予備軍青少年に向けて、この条例に賛成しているように見受けられる。それなら、非実在性犯罪を規制するよなぁ、守ろうとしているのって非実在青少年というのが変わってないんだもの。
私の中でなんかつながってきた。バカ条例賛成派の条例で守ろうとしているものって実在してないんだ。でも条例が及ぼす範囲には人間が実在する。実在している人たちが反対しても、守るべきものが非実在なので賛成する人たちには話が通じない。
守られるべき青少年は実在するけど、その方法としてバカ条例は間違っているんじゃないかな。脳内青少年は個々人で守ってあげればいいと思う。そしてそれを人はモラルと言うんじゃないだろうか。そこに条例を突っ込むのはやっぱり間違っている。


コメ欄が炎上するほどの閲覧者がいるHPじゃないので、こんなもんでいいかな。